朝陽と夕陽が通る道
和久屋は由緒ある安積国造(あさかくにつこ)神社の表参道に面し、
明治に建立された「一の鳥居」のすぐかたわらにあります。
郡山でも、古き佳き時代を偲ばせる数少ないスポットとなっています。
江戸の天明年間の創業から、かれこれ二百五十年近く、ここに店をかまえてきました。
芭蕉と曽良も訪れた郡山が、奥州街道の宿場町として華やいでいたころ、
脇本陣をつとめるほどの格式の高い旅館でありました。
今では、民芸くらふと和久屋として、おおくの市民や観光客に親しまれています。
鳥居はちょうど東西の向きにあり、
早朝は朝陽が、夕方は夕陽が参道と周辺の建物を照らします。
芭蕉と曽良の旅した頃も、旧奥州街道から表参道を臨み、道中の無事を願ったかもしれません。